カバーをデザインするとき、
文字がきちんと読めることは
もちろん大切です。
ただ、読めることと、
内容が伝わることは
少し違うように思っています。
タイトルを見たときに、
その内容がすっと頭に入り、
どんな本なのかという輪郭が見えてくる。
そこから自然に、
モチーフやサブタイトル、
帯のメインキャッチへ目が移っていく。
そんな状態をつくれたときに、
内容を伝えられていると感じます。
文字がきちんと読めることは
もちろん大切です。
ただ、読めることと、
内容が伝わることは
少し違うように思っています。
タイトルを見たときに、
その内容がすっと頭に入り、
どんな本なのかという輪郭が見えてくる。
そこから自然に、
モチーフやサブタイトル、
帯のメインキャッチへ目が移っていく。
そんな状態をつくれたときに、
内容を伝えられていると感じます。
二度読まないと分からないとき
ラフをつくっていて、
タイトルを二度読みしてしまうことがあります。
文字としては読める。
けれど、
「何の本だろう」
と少し考えないと、
内容が頭に入ってこない。
そんなときは、
まだ十分に伝えきれていないのだと思います。
文字の大きさなのか。
書体なのか。
配置なのか。
ほかの要素との関係なのか。
原因はその都度違いますが、
一度戻って考え直します。
読めるだけでは、
そのまま通り過ぎられてしまうこともあります。
目に入り、
内容がすっと頭に入ってくること。
そこまでを考えるようにしています。
最初に見せたいものは、本によって違います
多くの場合、
タイトルはとても大切な要素です。
ただ、いつもタイトルを
最初に見せればよいわけではありません。
本によっては、
モチーフを最初に見せたいこともあります。
サブタイトルの内容が重要な場合や、
帯のメインキャッチを
強く見せたい場合もあります。
何を最初に見てもらい、
その次にどこへ目を動かしてもらうのか。
その順番は、
本によって変わります。
大切なのは、
タイトルを大きくすることではなく、
その本で最初に伝えたいものは何か。
そこから考えることだと思っています。
格好いい大きさより、伝わる大きさ
以前は、
全体を格好よく見せようとして、
タイトルを少し小さくすることがありました。
その方が余白もできて、
造形としてはきれいに見える。
けれど、仕事を続ける中で、
「タイトルをもう少し大きく」
と言われることが何度もありました。
現在でも、
本当はこのくらいの大きさで
抑えた方が格好いいと思いながら、
少し大きくすることがあります。
そして、そこからさらに
数ミリ大きくする。
その段階では、
最初に考えていた格好よさを
手放していることもあります。
それでも実務書やビジネス書では、
さらにタイトルを大きくしてほしいと
言われることがあります。
長く仕事をしてきて、
自分が感じる造形的なバランスと、
本として必要な伝わり方は、
必ずしも同じではないと感じています。
目立つだけでも足りません
実務書やビジネス書には、
目的を持って探される本もあれば、
店頭などで目に留まり、
興味を持って手に取られる本もあります。
そのため、
ある程度の強さや目立ち方が
必要になることがあります。
ただ、大きくしたり、
強い色を使ったりすれば、
目立たせること自体はできます。
それだけで、
内容が伝わるとは限りません。
目には入ったけれど、
何の本なのか分からない。
格好いいけれど、
内容が頭に入ってこない。
それでは、
本来の目的から離れてしまいます。
何を伝えるためのデザインなのか
文芸書などを見ていると、
タイトルを散らしたり、
少し謎を残したり、
読み終わってからカバーの意味が分かるような
デザインに惹かれることがあります。
そうした表現も好きです。
ただ、私が多く手がけている
専門書や実務書、ビジネス書では、
まず何の本なのかが伝わることを
求められる場合が多くあります。
そのため、
格好いいか。
きれいか。
目立つか。
だけではなく、
何を伝えるためのデザインなのか。
というところに戻って考えます。
最初に見せたいものが目に入り、
そこから次の情報へ自然に目が動く。
そして、
どんな本なのかがすっと頭に入ってくる。
その本にとって必要な伝わり方を探すことが、
ブックデザインでは大切なのだと思っています。
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