本の表紙は、
文字だけで構成することもあれば、
モチーフを使って構成することもあります。
モチーフには、
写真やイラスト、
図形や抽象的な表現など、
さまざまなものがあります。
そして、
どのモチーフを選ぶかによって、
本の印象は大きく変わります。
同じ内容の本でも、
写真を使うのか、
イラストを使うのか、
抽象的に見せるのかによって、
受ける印象はかなり変わってきます。
かわいく見えることもあれば、
硬く見えることもあります。
親しみやすくもなれば、
専門的にも見えます。
そのため、
モチーフ選びは、
装丁の中でもかなり重要な部分だと思っています。
実際の制作では、
編集者様から
「イラストで表現したい」
というご相談をいただくこともあります。
ただ、
ラフを考えている途中で、
イメージに近い写真が見つかり、
写真を使った案をご提案することもあります。
逆に、
写真で考えていても、
イラストの方が良いと感じることもあります。
最初に考えていた方法が、
そのまま最適解になるとは限りません。
モチーフを探していると、
これだと思えるものに出会うことがあります。
ただ、
実際には予算や制作条件など、
さまざまな制約もあります。
イメージには合っていても、
使用が難しいこともあります。
その中で、
できるだけ良い選択肢を探していくことも、
装丁の仕事の一部だと思っています。
余談ですが、
独立したばかりの頃、
どうしても使いたいモチーフが見つかったことがありました。
ラフ案として提出したところ、
「とても良いけれど予算が合わない」
というお返事でした。
当時の私は、
「それなら私が負担します」
と言ってしまったことがあります。
もちろん、
「冨澤さんに負担していただくわけにはいきません」
と却下されました。
今振り返ると当然だと思います。
予算も含めて、
本づくりの条件の一つだからです。
ただ、
それくらいモチーフ一つで、
本の印象は変わることがあります。
だからこそ、
モチーフ選びは今でも難しく、
そして面白い部分だと感じています。
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